DTM(デスクトップミュージック、パソコンで曲を作る行為全般)を多少かじったことのある方なら
中高生でもこの記事タイトルのような疑問を持っていたのではないだろうか。
ポップガードとは画像の黒くて丸い、歌手のレコーディング風景でよく目にするあれだが
配信を見る方は、いまやそっちの方がお馴染みなのかもしれない。

が、実はこれ間違いだらけで、全世界に恥を晒していると言ってもいい。
なにがどう間違っているのかを、紛いなりに音楽をかじっていた私が以下に書いてみた。

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画像元:http://m20ritsu.blog137.fc2.com/blog-entry-308.html


よく見かけるけどこれなんなの?
少し配信を覗いただけでもよく見かけるこの光景。
ポップガードの役割でいえば、これはすべて間違いである。

これも
BlogPaint

これも
BlogPaint


これはもう位置からして全然意味ない
BlogPaint

本来、このポップガードの役割はポップノイズ(吹かれ)と呼ばれる、パ行などの破裂音時に
発生するノイズを防ぐのが目的だ。(厳密にはもう一つあるけど後述する)
それならこの使い方で合ってるんじゃないかと思うが、さらに意味のないことがもう一つ。
マイクがダイナミックタイプの物であるということ。


ポップガードとマイクの種類
大きく分けてマイクは、ダイナミックマイクとコンデンサマイクに分けられる。
ダイナミックマイクとは、上記の画像や、カラオケに置いてある物、歌手のライブなどで
よく使われているタイプのことを指す。おそらくマイクと言われて大体の人が想像するタイプの物だ。

こんなの
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一方、コンデンサマイクとは主にレコーディングスタジオなどで使われる
ダイナミックマイクのものより音をより多く拾う、ボーカルから楽器の録音に使われるタイプの物を指す。

こういうの
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これね
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上記の配信者を見ると、ダイナミックマイクにポップガードを付けて配信している。
これのなにが間違いかというと、一言で言うなら「全く意味がないから」である。
もし配信者に「じゃあどうしたらいい?付ける位置とかが悪いの?」と尋ねられたら
「いらんから外せ」と即答すると思う。

どういうことかと言うと、上にも書いた通りダイナミックマイクはそれほど敏感に音を拾わない。
特にアマチュアレベルのマイクでは違いなんて常人の耳でわかるほど出ないのだ。
雑談配信程度なら、イヤホンについているマイクでも充分である。
なにより基本的にダイナミックマイクには、内部に分厚いウレタンシールドなどがあり
ポップガードよりよっぽどポップノイズを防いでくれる仕組みになっているので
二重にガードしてしまっているのだ。

よく若年Youtuber()がポップガード検証動画などをノリノリでアップしているのを見かける。
これがどれもダイナミックマイクで検証し「すごい!」「ノイズが入らない!」「全然違う!」など
歓喜しているのだが、それポップガードを間に挟むことでマイクまでの距離が遠ざかっているだけだから
と、コメント欄で煽りたいのを、必死に堪えている。
バイト代やお小遣いを貯めてウキウキで買った物にそんな無慈悲なことは私は言えない。

じゃあコンデンサマイクにポップガードの組み合わせならいいの?
と思うがこれも配信に置いては半分間違い。
コンデンサーマイクは確かに音をよく拾ってくれるので、ノイズや吹かれを防止できるが
防音設備が施されてない一般のマンションや家屋の部屋は、反響しまくって逆にそっちの
ノイズの方が乗ってしまい、ポップノイズの比ではないのである。
自宅で綺麗に録るならポップノイズは外して、カメラに映らないくらいのある程度の距離を離さないと難しい。
基本的にコンデンサマイクは、防音が整ったレコーディングスタジオなどで使われることを想定して作られているのである。

半分正解なのはポップガードはノイズを防ぐ目的以外に、コンデンサは唾や湿気に弱いため
マイク本体を守るために必要だからである。
ただしこれもアマチュアレベルの機材では心配するほどでないのだが
一応の大義名分を、物を大事にする、または心配性というレッテルの代わりに得ることができる。

ちなみにダイナミックマイクは頑丈にできていて湿気にも強いので
ダイナミックマイクでポップガードは本当に意味がない。


じゃあポップガード付けて配信してる人ってなんなん?
ずばり、見栄え重視のミーハー丸出し野郎だ。
それか破裂音を連発するポケモンのトゲピーか板東英二くらい。

きっと誰かが配信で最初に取り入れ、見た目のカッコよさから
配信者が思考停止でこぞってマネをするようになって流行ったのではないかと思う。
もはや本来の意味はそこにない。

いや、見栄え重視のミーハーで結構じゃないか。
何を隠そう私も、DTMを始めたころにポップガードを付けてよく自室でボーカル録りをしていたのだ。
反響のせいで小声で録音するハメになったのは言うまでもないが、ポップガードを付けることで
まるで自分がボーカルブースでレコーディングしているかのような雰囲気が瞬時に出来上がる。
きっとそれはカメラの前の配信者も同じで、自分は配信者だというスイッチになっているのかもしれない。
見ているリスナーも、ある方がなぜか「本格的な配信者だ」という風に感じてしまうから不思議だ。

ということでポップガード本来の意味はないものの、見た目の意味で一役買っているという
音楽を生業にしている方からは、後ろ指ものの結論になったが、目くじらを立てず
自身をよく見せるため配信に力を入れている、という好意的な目で見てほしい。

indexメ基地(めきち)

アングラ業界サブカル雇われライターマン
90”全般の音楽をよく聞きます